2011/11/12

本:論語と算盤

ちょっと古めの本。渋沢栄一という幕末から昭和初期に生き、官僚から民間へ転進し、今日の実業界の父と言われるような方の発言をまとめた本。論語の説く生き方と、儲けることが求められる企業経営は両立するのだ、という内容。

論語と言うと道徳を説いていて、富を得ることが必要な企業経営とは両立しなさそうだが、そうではない、と説く。論語では、不正な手段で富を得るのはよくないが、正しい目的のもと、公正さを持って富を得る活動をするのは、否定していない、と説いてる。

読んでいくと、この時代に生きた人とは思えないほど、現代の経営に通じることを語っていると思われる。

たとえば、企業の存在意義は社会の富を拡大することであり、個人的な利益を得ることではない、といっている。これは、ドラッガーがマネジメントで言っていることそのままだ。

他にも、生産性の重要性、ビジネスはWin-Winの関係構築で互いに拡大すべき、会社経営には透明性が必要である、グローバル展開の必然性、不公正な取引、女性の能力尊重、など、あげればきりがない。

ちょっと疲れているときに読んだのだが、正しいことに向かってがんばろう、としゃきっとした気持ちになれる本でもある。言葉が古いのがちょっと難点。

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