2018/12/16

ADSL+CATVから光回線サービスへ(4):光回線でのテレビ放送サービス

光回線を使うと、テレビ番組を光回線にて受けられるサービスがある。フレッツ光であればフレッツテレビひかりTV、auひかりであればauひかりテレビ、NUROであればひかりTV。それぞれ特徴があるので、テレビも光回線経由にしようと考えている場合には、これを把握しておかなければならない。

まず、一般的に、CATVの場合と同様に、放送信号の変調の仕方により、テレビなどの視聴機器で放送波を直接受信できるパススルー方式か、セットトップボックスが必要になる方式なのかの違いがある。どちらの方式かによって必要な契約数や使い勝手が違ってくる。

テレビで直接受信できるパススルー方式であれば、光終端装置以外の機器は設置しなくてよい。セットトップボックスが必要な場合は、テレビのそばにセットトップボックスを置き、それを光終端装置と接続しなければならない。複数台のテレビでの受信を考えている場合、それぞれの受信装置ごとにセットトップボックスになり、光終端装置との接続も必要になる。

録画に関しても、セットトップボックス方式の場合は注意が必要だ。セットトップボックスに録画機能がない場合、番組の録画はレコーダーの外部入力経由となることを理解しておくべきだ。どんなに高画質の放送であったとしても、録画の画質は赤白黄のピンケーブル接続による外部入力経由での画質になる。録画予約の設定も、セットトップボックスと、ビデオレコーダーの両方に予約の設定をしなければならないので、面倒だ。最近のセットトップボックスはHDDへの録画ができる場合がほとんどなので心配ないが、サービスによっては、余分に機器代金を請求されたり、外付けUSB HDDの購入が必要になる場合もあるであろう。

また、通常、セットトップボックスを複数おく場合、その数の分だけ契約するように求められるものと思っておいたほうが良い。

こう書くとセットトップボックス方式のほうがいろいろ不都合がありそうな感じだが、セットトップボックスにより提供される機能やサービスもあるので、一概に不都合ばかりではない。例えば、高画質な放送を受信・録画できたり、オンデマンドサービスが統合されていたり、といった話。要は、今のテレビにはない機能がセットトップボックスで利用できるようになる場合もあるということ。これらのことも踏まえ、利便性、機能性をよく見てサービスを選択すべきである。

auひかりテレビは、auの光回線で利用できるサービスで、auのIPv6網で番組動画を送信している、セットトップボックス方式のサービスである。auひかりテレビは、地デジ、BSデジタルは送信しておらず、いわゆるCS放送のみが送信されているサービスであることに注意が必要。地デジ、BSデジタルを視聴したい場合は、他のサービスを利用する、アンテナを設置する、など、別の方法を考えなければならない。テレビサービスとしての料金は若干安く感じる設定になっているかもしれないが、地デジ、BSデジタルを視聴できない、ということを踏まえて考えるべきである。既にアンテナが設置されている家庭でCS放送を観たい場合で、スマホの契約とも合わせてauでうまく割引が得られるなら、auひかりテレビは選択肢になると思う。繰り返すが、地デジ、BSデジタルを視聴したいが、アンテナは設置したくない、という人は、auひかりテレビを選択してはいけない。

ひかりTVは、フレッツ光のオプションサービスで、NTTのIPv6網を使った地デジ、BSデジタル、CSのすべてを視聴可能なサービスで、セットトップボックス方式をとっている。地デジの視聴にもセットトップボックスが必要で、テレビだけでは地デジを視聴できないので、テレビが複数台ある場合は注意が必要だと思う。ひかりTVの特徴は、ビデオ、カラオケ、電子書籍、ゲームのような豊富なコンテンツにあると思う。これらが1つのセットトップボックスから提供される。

フレッツテレビは、auひかりテレビやひかりTVと異なり、光回線を使った「放送」サービスである。光終端装置からテレビで受信可能な放送波が出力されるパススルー方式である。アンテナで受信するのと同じ信号で地デジとBSデジタルの信号を光回線経由で受信できるので、テレビ、ビデオレコーダー以外の装置が不要になる。これは、最大のメリットだと思う。また、複数の機器で視聴する場合でも1契約でよいこともメリットである。

フレッツテレビの場合、他のCS放送は、別途スカパーとの契約が必要になる。スカパー契約は、「スカパー」と「プレミアムサービス光」の2種類があり、プレミアムサービス光が高画質のサービスで、チャンネルも若干異なるようだ。「スカパー」は、標準画質のサービスでDVDクラスの画質になる。フレッツテレビと「スカパー」の組み合わせでは、テレビ、ビデオがCSチューナーを搭載していれば、そのままその機器で地デジ、BSデジタル、CSの視聴・録画ができる。「プレミアムサービス光」は、高画質のサービスで地デジクラスの画質になるが、CSの視聴はセットトップボックスが必要になる。スカパー契約は、基本的には視聴・録画機器の台数ごと=B-CASカードごとに必要になる。録画する場合は、レコーダーのB-CASカードで契約することになるであろう。

いろいろなまとめサイトに光回線でのテレビサービスについての記載があるが、ほとんとのサイトで、フレッツテレビ、ひかりTVはインターネット接続が必要、と誤った記載がされているように思う(どこかのサイトからコピーされたものだと思うが、、、)。光回線とインターネット接続は別の話であり、フレッツ光で光回線を契約し、加えて、ISP契約をすることで初めて光回線によるインターネット接続が利用可能となる。このインターネット接続と、テレビサービスは実は無関係で、インターネットを経由せずに送信されている。フレッツテレビの場合は、インターネット接続とは違う周波数帯域で放送波が送信されており、ひかりTVの場合はNTTのIPv6網(インターネットではない)を使って番組動画が送信されている。

フレッツ光の光回線でプロバイダ契約なしという形態はあり得て、その場合でも、フレッツテレビひかりTVは利用可能である(ひかり電話もIP技術は使っているが、インターネットは通らない)。あんまりない話ではあると思うが、フレッツ光の安価な回線で、ISP契約をせずに、テレビとひかり電話を利用することもできる。

ひかりTVやauひかりテレビは、それぞれIPv6を使っているじゃないか、という話があるが、それはインターネットではなく、NTTとauが構築しているIPv6網でマルチキャストしているということ。宅内では、光終端装置とセットトップボックスをLAN接続し、セットトップボックスとテレビをHDMIケーブルで接続する形態となる。光終端装置とセットトップボックスをLANケーブルで直結する場合はよいが、そこでLANを構成する場合は、IPv6に対応したネットワークになっていなければならないので、注意が必要だ。複数の部屋でテレビを見ようとする場合、IPv6が通るLANが構成されていなければならない、ということ。ハブやブリッジのレベルで接続している場合はよいが、ルータが入るような場合は注意が必要だと思う。

一方のフレッツテレビは、光終端装置からアンテナ線で放送波が出力されるので、IPv6のようなネットワーク設定は関係なく、純粋にテレビアンテナの配線の話になる。

光回線でテレビを見るとインターネット接続の速度が落ちる、といった記載もみられる。フレッツテレビの場合は、何の関係もありません。フレッツテレビは、放送波をインターネット接続とは別の周波数帯域で送信しているため。

ひかりTVとauひかりテレビの場合は、正直なところ、よくわからない。NTTとauの中で、インターネット接続のためISPへ接続する構成と、テレビ送信のためのIPv6網の構成が重なっているのかどうかが、よくわからない。宅内のLANがIPv6にうまく対応できなくて、ネット接続に障害が出る事例はあるようだ。

などなど。。。

いろいろ考えた結果、画質にあまりこだわりがなく、CS番組を録画して楽しむ場合が多い我が家は、フレッツテレビ+「スカパー」とすることに決めました。スカパー契約は、ビデオレコーダーに対して1契約でよい。CSは、放送時間に合わせてみることはなく録画してみる。もし、他の部屋のテレビから見るとしても、レコーダー内の録画番組をLAN経由で再生できるテレビを用意すればよい。

あとは、工事です。


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