2017/02/11

アメリカの証券会社の口座に関わる、日本の確定申告 (2)

日本に住んでいてアメリカの銀行、証券会社に口座のある人は、アメリカでどのように税金がとられるのか。

基本的な考え方は、日本に住んでいる人の活動に関わる所得なのだから、その人にまつわる所得税は日本で課税させる、ということ。とはいえ、米国が全くかかわりがないわけではないので、どういう配分にするかが、租税条約で取り決められているらしい。

まず、日本が活動の拠点であるということを、アメリカの金融機関に行っておく必要がある。非居住者である旨、宣言しておく必要がある。これが、W-8BENフォーム。これを提出しておかないと、アメリカ人と同じように課税されることになる。

で、私は提出していたかというと、何かのタイミングで提出していたらしい。

これを出しておくと、アメリカでの課税ではなく、日本での課税となる。すなわち、確定申告が必要になる。

口座の利子は、アメリカでも源泉徴収の対象なのだが、W-8BENを提出しておくと、税金が引かれず、利子が全額入金されている。この利子に対する課税は、日本でなされることになる。

私の場合、投資信託の配当金があった。配当金は自動的に再投資されたのだが、この配当金は課税の対象。アメリカでは、配当金の性質や、その人の所得に応じて税率が異なるらしい。個々の詳細は不明。Webで調べると、非居住者でも10%の源泉徴収があると書かれているページが多いが、私の場合、源泉徴収はされていなかった。これは、金融機関が発行する1099-DIVなどのフォームでわかるはず。つまり、私の場合は、配当所得があったが、米国では課税されていなかった、ということ。

利子や配当を日本で申告する場合、どう申告するかが問題になる。利子は、問答無用で総合課税になる模様。配当金は、ファンドの元の性質によるらしいが、私の場合株式ベースのファンドであり、この場合、総合課税か申告分離課税かを選択できるようだ。

どっちを選ぶのが良いかは、他の活動で損失があって合算できるようなケースもあり、それと合わせての選択となる。

米国で課税されている場合は、確定申告すると二重課税になるので、配当控除なる制度がある。米国で課税されたうちの一定額は、日本では課税しませんよ、ということになっているらしい。

米国で所得があると、当然、米ドルでの口座に入金されているわけだが、これを円換算して課税所得を求める必要がある。これは、その所得が発生した日のTTMで換算して合算することになる。TTBが有利だからTTBを使ってもよい、というサイトもあるが、TTMを使っておくほうが、面倒な説明が発生する可能性がさがるっぽい。

で、これらを確定申告するわけだが、確定申告書作成サイトで、すべて入力できるようになっている。なかなか便利。下調べや、支払いを示す書類の準備などありますが、できないことはない。

なお、素人が調べたものなので、本格的に必要な場合は、専門の税理士さんに相談したほうがよさそう。


2017/02/05

アメリカの証券会社の口座に関わる、日本の確定申告

昔、アメリカに1年程済んだことがあり、その時に証券会社の口座を作った。投資信託を買ったりしていたのだが、大損。ようやくトントンな感じまで回復してきたので、口座を閉じようと考え始めたところで、いきなり配当が出た。

たまたま確定申告をしようとしていた年に。

そんなに額があるわけではない(ほかに何もなければ確定申告不要なレベル)のだが、後で、変に税金を取られるのも嫌なので、ちゃんと確定申告をしよかなと思ったのだが、なかなか手ごわい。調べたことをまとめておく。

まず、日本の課税の体系(そっからか)。

日本での課税の体系は、総合課税、源泉分離課税、申告分離課税の3つに分かれる。

大きくは、総合課税と分離課税。総合課税では、所得をすべて合算して、その合算に対して税率を決め、課税する。これが基本。一方の、分離課税では、総所得には合算せず、ある収入科目の中の収支により税率、税額を決める。不動産、株式等の譲渡益の課税では、申告分離課税を選べる。

分離課税は、源泉分離と申告分離に分かれている。源泉分離課税では、所得の発生と同時に課税される。例えば、金融機関の利子は、発生時に税金がとられており、税金を控除された分が、口座に入金されている。申告分離課税では、確定申告での申告により税率、税額が確定する。

総合課税と申告分離は、選択できる場合がある。総合課税は、累進税率となっているので、申告分離できる場合に総合課税にしてしまうと、不利になる場合がある。

確定申告では、課税所得や、分離して申告する所得を確定する、ということになる。サラリーマンの場合、給与以外の所得が20万円以下の場合、確定申告は不要である。医療費控除などで還付を受けたい場合確定申告をすることになるのだが、いったん、確定申告をすると決めると、給与以外の所得が、たとえ20万円以下であったとしても、それも含めて申告する必要がある。よって、医療費控除で還付される金額よりも、給与以外の所得による税金の方が大きいのであれば、確定申告しないほうがよい、というケースも出てくる(給与以外の所得が20万円以下の場合)。

ふるさと納税。ふるさと納税は、ワンストップ制度を使える場合は、確定申告不要。しかし、ここでも医療費控除での還付を受けようとすると、やはり、ふるさと納税を含む確定申告が必要になる。あるいは、ワンストップの条件を超えてふるさと納税を利用する場合、確定申告が必要になり、申告しなくてもよかったはずの所得の申告をしなければならなくなる。ワンストップの限度に抑えておけばよかった、などということも発生しうる。

と、ここまで理解して、で、アメリカの証券会社で所得が発生した場合は、どう申告するのか、という話にやっとなる。