2017/07/09

Windows 10のシステム修復環境

ThinkPad E470を購入し、いろいろ環境構築をしている。新しいPCを買うと、システム修復ディスクやシステムイメージを作成するのだが、Windows 10では少し変わったようなので、この機にいろいろ調べた。

まず、設定の「回復」には、「このPCを初期状態に戻す」「Windowsのクリーンインストールで新たに開始する方法」とある。これの違いが判らない。

「このPCを初期状態に戻す」は、Windowsインストール直後の状態に戻す、ということ。正確には「直後」ではなく、Windowsのファイルは最新に近い状態に更新された状態に回復される。要は、Windowsのインストール時にインストールされた以外のコンポーネントをアンインストールし、Windows Updateをかけたような状態。個人のファイルは、残すように選択できる。

「Windowsのクリーンインストールで新たに開始する方法」とは、書いてある通りのことらしい。これを実行すると、インストールディスクのイメージをダウンロードして、実際にクリーンインストールを実行する、ということのようだ。

PCを初期状態に戻す操作は、"Windowsの回復環境"から実行できる。回復環境は、PCのディスク、修復ディスク、回復ドライブから実行できる。ディスクの回復環境から実行するには、「設定」の「回復」から実行する。修復ディスク、回復ドライブから実行するには、PCを再起動して、起動オプションで外部ドライブから起動するよう選択すればよい。起動後、回復環境から初期状態に戻す処理を実行すればよい。

回復ドライブから回復操作を実行する場合、ドライブから回復する、という操作が選べる。回復ドライブには、回復ドライブ作成時の初期状態のファイルが格納されており、これを使ってシステムドライブを初期状態に戻せる。つまりは、ディスクが換装されていてもよいということ。ただし、この場合、パーティションが回復ドライブ作成時のパーティションとなる。

また、回復ドライブといっても、工場出荷時に戻るものではなく、"Windows 10の初期状態に戻る"ということに注意が必要だ。前のバージョンのWindowsがプレインストールされていたPCをWindows 10にアップグレードし、そこで回復ドライブを作る場合、それは工場出荷状態に戻すものではない。"Windows 10"にアップグレードした直後の状態に戻るイメージになる(ただし、アプリなし)。

初期状態ではなく、とある時点に回復するには、「復元ポイント」「システムイメージ」を使うことになる。

Windowsでは、システムに更新が加えられるたびに、スナップショットを保管しており、これを「復元ポイント」と呼んでいる。「システムの保護」やWindowsの回復環境から、過去に作成した「復元ポイント」にシステムを戻すことができる。どれだけの「復元ポイント」を記録しておくかは、ディスク容量の割合で設定できる。

システムイメージは、バックアップツールから作成できる。システムディスクの内容を、DVDやネットワークに保存でき、回復環境の何れかからシステムイメージによる回復を実行できる。

ディスクが壊れていなければ、特にバックアップを採っていなくても初期状態に戻せるというのは、ずいぶん進歩したものだと思う。

いろいろなやり方があって複雑な感じがするが、さまざまの回復環境があって、初期状態、復元ポイント作成時、システムイメージ作成時に回復できるということ。様々の回復環境があるように見えるが、"Windows RE(Recovery Environment)"という仕組みに統一されており、初期状態、復元ポイント、システムイメージの意味が分かれば、よく整理されているように感じる。

ディスクの障害にどう備えるかだが、インストールメディアを作っておく、回復ドライブを作っておく、複雑な環境を構築した場合はシステムイメージを作っておく、ということか。

2017/07/01

Windows 10で、ドライブを縮小して、購入時状態にする

​Thinkpad E470を購入した。四半期セールで、通常よりも安く買えた。で、早速、データ用のパーティションを作るため、Cドライブを適当な大きさに設定して、そこに出荷時イメージを流し込む作業をしようとした。

過去、Thinkpad x20, Thinkpad R40, Thinkpad SL510を使ってきた経験から、R&Rでリカバリディスクを作り、KNOPPIXあたりでブートしてパーティションを切り直し、リカバリディスクで戻せばできるかな、と思って始めたが、そもそもE470にはDVDドライブがない。

まぁ、知ってて買ったんだけど、、。それに、R&Rももうなくなっているようだ。Windows 10自身が回復ドライブやバックアップの仕組みを持ったので、提供しなくなったのであろうか。

さて、どうするか。

まずは、回復ドライブを作って、小さなパーティションに書き戻せるか試してみた。回復ドライブは、ディスク交換時でも、出荷時状態を回復するためのイメージと、ブートローダを格納したUSBメモリ。回復ドライブを作って、それでブートし、コマンドプロンプトを起動。そこでdiskpartコマンドで、パーティションを切り直す。もう一度ブートして、回復処理を実行。しかし、この方法では、パーティションは回復ドライブを作成したときの状態に戻されるようだ。で、パーティションも含めて、工場出荷時状態に戻る。

次は、バックアップのシステムイメージ保存でやってみる。外付けUSBディスクをつなぎ、システムイメージを保存。回復ドライブでブートし、システムイメージで回復する処理を実行してみる。あかん。これも、パーティション含めて元に戻してくれやがる。
R&Rだったらできたはずなんだが、というのも自信がなくなる。

で、冷静に考えると、パーティションって縮められるようになったよな、と。やってみると、GUIのツールからはできないのだが、コマンドラインツールからならできちゃう。特別なツールを用意しなくても。なんだ、なんだ。結局、パーティションを縮めるだけで良いのでした。

ずいぶん、便利になった。

17/7/8追記
工場出荷状態というのは、若干嘘


Thinkpad E470購入、使用感

2010年にThinkpad SL510を購入、ディスクを換装したり、メモリを増設して使ってきたが、スピーカーから音が鳴らなくなり、キーボードもヘタってきた。起動時にstuck keyと表示されてブートしない。どうも、右ATLあたりが不調のようで、この辺のキーを連打しながらでないとブートしなくなった。汚れているのかなと思い、キートップを外してみたら、どうもパンタグラフを壊したらしく、キートップがきちんとはまらなくなってしまった。失敗。

家族からは、前から、パソコン遅いと言われていたので、しばらく買い替えを検討していたのだが、息子の「赤ポッチがないとダメ」という要求仕様があり、Thinkpadで検討。

予算は5万円、ノングレア、赤ポッチ、テンキーレス、といったあたりが条件。SL510は15.6インチでテンキーレスだったのだが、最近の15.6インチノートはほぼテンキーありなんですね。テンキーレスを貫くと14インチになるが、極端に小さくなるわけでわないので、14インチで探す。

そうすると、この条件では、Thinkpad E470一択。赤ポッチを外せば、ないことはないのだが、5万円以内は意外に少ない。概ね、CPUはCore i3 6006U、メモリ4GB、ディスクは500GB 7200RPMのHDD。DVDは付いていなかったり、付いていたり。これで、46000円くらい。十分安いような気はしていたが、もう少し安くならんかなと、しばらく様子を見ていた。

そしたら、来ました! 四半期セール! 6/8までの発注で42000円!

これは買いだ! と思ったが、一旦冷静にスペックを見直し、よく考えてからポチることに。で、ここでDVDドライブがないことに気がついたのだが、安くなった分で外部ドライブを買えば良いやと納得し、購入を決断。

ところが、42000円で購入できるページにたどり着けなくなってしまった。冷静になって、どうやってそこにたどり着いたかを思い出しながら試行錯誤、ありました。ポチりました。

あとは、いろんな人が報告しているように、数日納期が確定せず、週末をはさんでさらに伸び、到着日は早まり、などドタバタの末、無事納品されました。急ぐ方は、やめたほうが良い。

その後、blu-rayの外付けドライブを約7000円で購入。まぁまぁ、良い買い物が出来たんではないかと思う。

実際に購入しての感想。

キーボードが、いままでのThinkpadと違う感じになるので心配していたが、問題ないレベル。気になったのは、ボリューム、スリープなどの特殊キーがFnキーと共通で、特殊キーの方がデフォルトで有効にされていること。ウィンドウを閉じるときにAlt+F4などとするので、Fnが有効になっている方がありがたい。やべー、と思ったが、設定でFn有効にできるので、問題なし。

DVDドライブがない分だけ薄くなっているのは、気持ち良い。使っているとタッチパッドの右側がじんわりあったまってくる。CPUがあるのであろうか。熱い、というほどにはならないので、おそらく問題ないであろう。

ソフトは、TrendMicroのアンチウィルスソフトが入っていたくらいで、余計なソフトはほとんど入っていない。Lenovo製の管理ソフトが悪さをするのかどうかは、不明。

コストダウンしたせいだと思うが、HDDやWiFiのアクセスランプがない。こういうランプがあることに慣れているせいか、動いているのかどうかよく分からず、ちょっと気持ち悪い。意外に気になる。

バッテリは、取り外せない。なので、大容量タイプに交換する、といったことはできない。交換は、底面のパネルを外して交換することになる。こういう作業がいやだなと思う方は、選ばない方が良いでしよう。

​ Windows 10で、特別なツールを使わずに、システムパーティションを縮小する

Windows XPかWindows 7の頃から、Windowsの「ディスクの管理」というツールで、パーティションの縮小、拡大ができるようになった。拡大は、拡大したいパーティションの領域に隣接していて、パーティションに割り当てられていない未使用の領域があれば、未使用の領域の一部、あるいは、すべてを合体できる(正確には、未使用の領域が、拡大したい領域の後ろにあるように、ディスクの管理で見えている必要がある)。縮小は、すこし、ややこしい。縮小したいパーティションに割り当てられている領域の末端に、連続した空き領域があれば、そこをパーティションから外せる。

で、本題。最近、PCを新調したので、まずは、Cドライブを縮めてDドライブを作ろうと、「ディスクの管理」でCドライブを縮小しようとした。「ボリュームの縮小」を実行すると、どんなけ縮められますよ、縮めますか、と聞いてくるので実行するのだが、「十分なディスク領域がないので、この操作を完了できません」とエラーになる。

例によってネット検索で調べると、正確な条件はわからないが、「ディスクの管理」ではできないことがあるようだ。システムファイルがあるから、フラグメントしているからなど、それっぽい理由が書かれているが、他のパーティション操作が可能なツールを使うとできる、とあり、いまいち納得感なし。もちろん、これらの理由で縮小できないことはあると思うが、どんなけ縮められるという計算にはこれらが考慮されているのではなかろうか。

なかなかツールを用意するのは面倒だし、パーティション系のツールは本当に大丈夫か若干心配なものである。そこで、Windowsだけで閉じてできないかやってみたら、できました。めちゃくちゃ簡単。

多分、知ってる人はしっていると思うのだが、コマンドプロンプトから実行するdiskpartコマンドを使えば、エラーなくパーティションを縮小できるようだ。diskpartを実行すると、専用のコマンドモードになる。そこで、以下を実行する。

list disk
select disk n
list partition
select partition m
shrink
exit

n, mは、直前のlistコマンドで得られる、縮小したいパーティションがあるディスク、そのディスク内でのパーティションの番号だ。shrinkを実行すると、目一杯パーティションを縮小してくれる。あとは、ディスクの管理で、所望の大きさにパーティションを拡張すれば良い。あるいは、shirnkはどれくらいに縮めるかをパラメータで指定できるので、そうしてもよさそうだ。

よく調べてみると、TechNetにいろいろ書かれていた。私の場合もイベントログに259のログが残っていて、hiberfil.sysに割り当てられているクラスタが縮小の限界、とログが残っていた。そのクラスタのアドレスからすると、diskpartで縮小した結果のサイズとあっている。なので、「ディスクの管理」で縮小できないのは「ディスクの管理」のバグで、diskpartコマンドは限界まで縮小してくれた、ということのようだ。

上のページには、"When you shrink a partition, unmovable files (for example, the paging file or the shadow copy storage area) are not automatically relocated and you cannot decrease the allocated space beyond the point where the unmovable files are located. If you need to shrink the partition further, move the paging file to another disk, delete the stored shadow copies, shrink the volume, and then move the paging file back to the disk."とある。

もっと縮めたい場合は、ページングファイルを別のパーティションに移動する、シャドーコピーの領域を移動すると、よい場合がある、と書かれている。復元ポイントはシャドーコピーを使うので、復元ポイントを無効にすると、この領域が解放される、ということだろう。で、どの作戦をとるともっと縮小できるかは、イベントログを見るとわかる、という仕掛け。

すべては、「ディスクの管理」のエラーメッセージが悪い。