2011/06/26

本:これから正義の話をしよう

ハーバード白熱授業で話題になった、マイケル・サンデルの本。

哲学の本なんて読んだことはなかったが、話題になっていたので、勢いで買ったのだが、大変面白かった。

どっちが正解かわからない道徳的な問いについて、どのような答えが正しいのか、答えにいたるまでにどのような考え方があるのか、という正義の考え方について、いくつかの考え方を説いている。全体幸福を最大にすることが大事、自由な選択ができることが大事、行動の目的が正しいことが大事、という過去の3つの正義論を説明する。「目的が正しい」の正しいを決められるのかが問題。カントは、人間は、現実の経験の世界にとらわれず、自由に理性的に判断できる、この理性のみに従って行動している場合は、正しい、とした。サンデルは、コミュニティの中で生きる人間はコミュニティに依存しており、行動の正しさはコミュニティとして正しいかどうかも考えなければならないとする。

(上の説明は、あっているかどうか自信なし)

過去の哲学者の正義論の説明は切れ味鋭かったが、自説の説明はあいまいで、それほど説得力が無いように感じた。正義をコミュニティと関連付けて考える、コミュニタリアンという考え自体が新しい考え方なので、まだまだこれからなのであろう。そのため、途中からそれまでの迫力や説得力に欠ける感じになってしまっている。

それにしても、「ソフィーの世界」以来の哲学本だったが、大変面白く読むことができた。というか、ソフィーの世界は、途中で飽きてしまって、読了しておりません。

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